
イチローが鈴木一朗の先を走った10年。鈴木一朗がイチローを抜き返した10年

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2021/12/26 09:22
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「鈴木一朗とイチローは別人です。鈴木一朗がイチローに、作品を作らせている感覚です。今までの10年は、イチローが鈴木一朗よりもだいぶ先を走ってましたから、そこに追いつけなかった。でも、ようやく追い抜いた。もはや、彼は僕の一部です(笑)」
一朗とイチロー「もはや、彼は僕の一部です(笑)」
format_quoteこの年、イチローを名乗って210本のヒットを打ったことで、鈴木一朗を取り巻く環境は一変した。今から10年前、彼はこう言っていた。
「鈴木一朗とイチローは別人です。鈴木一朗がイチローに、作品を作らせている感覚です。今までの10年は、イチローが鈴木一朗よりもだいぶ先を走ってましたから、そこに追いつけなかった。でも、ようやく追い抜いた。もはや、彼は僕の一部です(笑)」
二十歳のとき、一人の若者が二つの名前を背負った。
イチローが鈴木一朗の先を走った10年。鈴木一朗がイチローを抜き返した10年。
その二つの名前が、後に心の中でせめぎ合うようになるなんて、思いもしなかったに違いない。自分のために野球を磨くイチローと、野球のために自分を磨く鈴木一朗──ずっと競い合ってきたこの二人が、41歳になった今も、彼の中に存在している。
「どこの鈴木やねん」から始まって…こうして20歳の鈴木一朗は“イチロー”になった